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フリッツ・バウアー映画2本

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e0034633_09272024.jpg毎年サクラの時期は天候の変化が大きいとはいえ、今年はまた格別だったような気がします。ご多分に漏れず、ずーっと、ずーっと、ずーっと不調で。
(寒いんだもん)


おなか壊して食べられずに寝ている間、amazon prime videoで映画をいくつか見ました。
まだおなかは愚図っていますが、ちょっとマシになったので久々に更新です。



元ナチ親衛隊将校アドルフ・アイヒマンの逮捕に執念を燃やしたフランクフルトの検事フリッツ・バウアーを描いた


「アイヒマンを追え! ナチスが最も恐れた男」(2016年)


オフィシャルサイトは ここ。




1950年代後半、西ドイツ・ヘッセン州州都フランクフルト。
経済復興が進んで大戦中の記憶が風化し責任追及の機運が薄れていく中、州検事長フリッツ・バウアー(ブルクハルト・クラウスナー)は、ナチス戦犯の告発を自分の責務としていた。
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バウアーのもとに入ってきたのは、アウシュビッツ強制収容所へのユダヤ人移送の責任者だったアドルフ・アイヒマン(ミヒャエル・シェンク)が南米アルゼンチンに潜伏しているとの情報。
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さっそく部下のカール・アンガーマン検事(ロナルト・ツェアフェルト)とともに確実な情報と証拠集めを始めるバウアーだが。
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アイヒマン逮捕は当時の要人たちの過去を暴く可能性があり、政界を揺るがすスキャンダルとなりかねない。
当局はバウアーの妨害を画策するように。
わずかな過ちが命取りとなりかねない中、バウアーはイスラエルに向かう。
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それは、イスラエル情報機関モサドに、アイヒマン誘拐を打診するため。
極秘裏にモサド長官イサー・ハレル(ティロ・ヴェルナー)と面会するが。
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その行為は、国家反逆罪に相当するもの。
さらにそのころ、カールはかつて裁判で知り合った被告の友人と再会。
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危険なワナに踏み込もうとしていた。。。
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バウアーとカールの性的嗜好がややこしい状況を招いていたり、ユダヤ人であるバウアーの個人的な復讐ではないかと取りざたされる中、やがて彼らの努力は実を結ぶわけですが。
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バウアーにとって残念なのは、アイヒマンの裁判がドイツで行われず、イスラエルで開廷されたことでした。
いずれ彼の信念はフランクフルト・アウシュビッツ裁判(1963~1965年)と呼ばれる裁判につながることになります。


主演のブルクハルト・クラウスナーは、この作品でドイツ映画祭やヨーロッパ映画祭などで主演男優賞にノミネートされています。






e0034633_10292069.jpgもう一本、同じテーマのテレビムービー


「検事フリッツ・バウアー ナチスを追いつめた男」(2015年)


予告編は ここ。


こちらのほうがテレビ版のせいか、あっさり目な感じがします。
両方ともバウアーの同性愛が物語の中で重要視されていますが、当時これがスキャンダルになったのかどうかがどうもよくわからない。
 今だから言うけど実は。
という案件なのかもしれません。




この作品でフリッツ・バウアー検事を演じるのはウルリッヒ・ヌーテン。


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アイヒマン追跡から裁判までがテーマですが、こちらでの彼の部下はヨアヒム・ヘル検事(デヴィッド・クロス)。
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彼があちこちから働きかけられ、とくに東独情報部が内通者としてスカウトしようとしてきたり。
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捜査情報が筒抜けになっていることに悩まされたりするうちに、ヘルの正体は実は。ということがわかってきます。
この作品ではコンラート・アデナウアー首相がしきりに出てきますが、当時80歳代後半。
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(演じたディーター・シャートも1926年生まれ)
偉大な人なんでしょうけど、あんまり年取った国家元首っていうのもなあ、などと思ったんでした。


以上の2本、アイヒマン逮捕の瞬間の状況が少し違ったりもしていますが、「アイヒマンを追え!」のほうを主体に「検事フリッツ・バウアー」を補完として見るのが良いかと思います。


さて、あとは
「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」(2015年)
「ハンナ・アーレント」(2012年)
を見れば、この周辺の事情はある程度分かるかな、と。

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