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Channel: 好きな俳優、今日の一枚 
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クー!

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私的ロシア映画祭りは今日でおしまいです。
最後にして異色の、そして私としてはひそかに最高傑作ではなかろうかと思っている作品。

末期とはいえ旧ソ連、こういうナンセンス映画も作っていたのか。
いやいや、きっついアネクドート(小話)でこっそり溜飲を下げていたという国民ではある。

ロシア国内ではカルト的な人気を集めたという

「不思議惑星キン・ザ・ザ」(1986年)

予告編は ここ。


妻に頼まれて買い物に出かけたウラジミール・マシコフ(スタニスラフ・リュブシン)は、ヴァイオリンを持った学生ゲデヴァン(レヴァン・ガブリアゼ)に街角で呼び止められる。
怪しい裸足の男が、自分は異星人だと口走っているという・・・。

で、男の言う空間転移装置のスイッチを、ヴォーヴァおじさんことマシコフが押してしまったせいで、彼とヴァイオリン弾きことゲデヴァンは、砂漠の惑星に飛ばされてしまうわけです。

そこに降りてきた宇宙船。

錆びたブリキでできた銅鐸みたいなそいつから降りてきた宇宙人たち(エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ)によれば、そこはキン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュク。

かならずしなくてはならない挨拶は、腰をかがめて 「クー!」 と叫ぶというもの。

カタブツの技術者であるおじさんは、最初のうちはキン・ザ・ザの風習になじむことができなくて。

どうしてもしなくちゃいけない、鈴のついた鼻輪にも抵抗があるし(そりゃそうだろうな)。

こんな帽子もしぶしぶだけど。

気がつくと、すっかりなじんでいます。

そして、地下都市で搾取構造の階級社会を垣間見たりしているうちに、仲良くなった異星人のために、一肌脱ぐことになる・・・。

この世界で買収に使える万能な品物は、マッチです。
マッチさえあればたいていのことは融通が効くらしい。
だからキン・ザ・ザに行く機会があったら、大量のマッチ必携です。

資本主義社会を一応批判しているらしいんですが、イデオロギー的にどうの、という感じはまったくしません。
一方でソ連社会を批判しているようでもあるんですが、どうやって規制を免れたんでしょう。
よくまあこんな面白いナンセンスSFを作り、しかもラストでほろりとさせたものである。。。

2013年にはアニメでリメイクされたそうなんですが、この妙な味わいは実写ならではという気が。

というわけで、ロシア映画鑑賞ひとまず終わり。
私にとってのロシア映画BEST3は、
「モスクワは涙を信じない」(1979年)
「12人の怒れる男」(2007年)
「不思議惑星キン・ザ・ザ」(1986年)
で、この中では優劣つけがたいです。
(主流からは外れるなあ ← エイゼンシュタインとか)
普段ロシア映画はあまり見ないので、集中して見るのもいろいろ楽しかった。

(ほかに 「プリズナー・オブ・パワー 囚われの惑星」(2012年) と 「大統領のカウントダウン」(2004年) も見ましたが、あんまりおもしろくなかった・・・)

さて。
お察しの方がいらっしゃるかもしれませんが。

明日からモスクワに行ってきます~。
クー!

(旅のテーマ曲です)



(地下鉄、大丈夫だよね・・・)

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