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「誰よりも狙われた男」

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スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレは、今年83歳のご高齢ながら、いまだ現役の作家として活躍中です。
昨年も 「Delicate Truth」 という作品を出版しました。翻訳が待たれます。

2008年の著書 「A Most Wanted Man」 が昨年末に日本でも出版され、ようやく先月、図書館で予約の順番が巡ってきました。
ル・カレらしくディテールに凝っているので、途中まで話の進み方が遅く感じられましたが、中盤からはノンストップの面白さ。

惜しくも急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンを主役に据えて映画化された作品が、いよいよ公開されました。

「誰よりも狙われた男」

オフィシャルサイトは ここ。


ドイツ北部の港湾都市ハンブルク。
自動車輸送船の埠頭に、海からひそかに上がってきた青年イッサ・カルポフ(グリゴリー・ドブリギン)。

チェチェン出身のイスラム過激派として指名手配されている彼の密入国を確認したドイツの諜報部は、テロ対策チームのギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を中心に。

イッサを泳がせて大物を狙う。

トルコ出身の親子にかくまわれたイッサをサポートすることになったのは、人権団体の弁護士アナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)。

イッサはアナベルを通じて、英国系資本の銀行家トミー・ブルー(ウィレム・デフォー)との接触を希望。

バッハマンのチームはアナベルを作戦に引きいれ。

ブルーをも巻き込む。

イッサを使ったバッハマンの作戦とは。

政府上部の都合やCIAの思惑も絡み。


事態は複雑化していく。

そして作戦実行の時が訪れ・・・。

原作を読んで結末はわかっているのに、ドキドキハラハラ、面白かったです~。
冗長な部分は思い切って省いていた感じですが、スピード感が出てよかった。
フィリップ・シーモア・ホフマンは実に渋い演技で、彼の死は本当に惜しい。

共演のウィレム・デフォー、ロビン・ライト、レイチェル・マクアダムス、ニーナ・ホス、ダニエル・ブリュールも原作のイメージ通り。
とくにロビン・ライトとニーナ・ホスよかったです。

ほとんどチョイ役ですが、「U-ボート」(1981年)のヘルベルト・グリューネメイヤーが出ていたのもうれしかったですね。

銃撃も流血もない、静かな諜報戦ながらすごい緊迫感と盛り上がり方でした。

毎年この時期になると賞レースを控えて良作が目白押しになりますが、今年もそんな季節になったなーと。。。

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